大型ハドロン衝突型加速器:LHC運用開始

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 CERN(欧州原子核研究機構)の最新の超巨大粒子加速器が完成したスイスとフランスの国境地域に続々と物理学者たちが集まり始めた。ついに、宇宙の謎を解き明かす実験が始まるのだ。CERNの加速器は、これまでに作られた最大の円形粒子加速器で、プロトン(陽子)を光の速度近くまで加速させ衝突させる事が可能になる。正確には、この量子加速器は「大型ハドロン衝突型加速器:LHC」と呼ばれる。この加速器を使った実験により、宇宙の暗黒物質の正体やビッグバン直後の様子を探る事が可能になると言う。
 円形加速器の直径は約10キロ、全周は27キロもあり、この中のトンネルでプロトンビーム(陽子ビーム)を最高パワーで加速すると、一秒間に11000周と言う光の速度に近い値を生み出せる。ちなみに、最高パワーでの衝突実験は、まだ一年ぐらい先の模様である。

 だが、この実験が期待される一方で地球が破壊されてしまうと言う懸念が出されている。プロトンの衝突でマイクロブラックホールが作り出されるのでは無いかと考えている研究者が少数ながら存在するのだ。彼等によると、この加速器による衝突で作り出されたマイクロブラックホールは、地球の重力場内に留まり、やがては惑星自身をも飲み込んでしまうだろうと言う。運用の差し止めを求める裁判も起こされている。
 もちろんCERNのスポークスマンであるJames Gilliessは、ナンセンスだと完全否定する。スティーブン・ホーキング博士の予測では、もしマイクロブラックホールが作り出されたとしても、瞬時に蒸発するから心配には値しないと言う。……が、実際のところ科学者たちにも、衝突により何が起こるかは分かっていないのだ。だから実験するのである。
 いずれにしろ、2008年9月10日から開始されるCERNの加速器を使った実験は、欧州中心とは言え、これまでに無い世界規模のビッグプロジェクトとなる。実は、すでにCERNは、世界規模で多大な貢献をしている。そう! WWW(World Wide Web)の技術は、CERNの情報検索技術に端を発しているのだ。つまり、このニュース記事が読めるのもCERNのおかげと言える。

 CERNの粒子加速器の運用開始で、宇宙と時間、次元の謎の解明が一気に動き出す事は間違いない。アメリカの加速器の開発が予算難のため中止され、世界中の高エネルギー物理学者が手詰まり状態の中で、CERNの加速器の完成を待ちわびていたのだ。 この研究が進めば宇宙の謎ばかりでなく、超常現象や霊現象なども科学的な解明の糸口がつかめるかもしれない。しかし、粒子を光速で衝突されると言う実験に、何か得体の知れない不気味さを感じてしまうのも事実だ。科学者たちは、CERNでの実験を、ビッグバン再現実験で宇宙の誕生の謎に迫ると言う。……それってビッグバンを起こすって事?
 ビッグバン理論によると宇宙は無から始まったのだ。二個のプロトンの衝突から、本当のビッグバンが起こらないとどうして保障できるのだろうか?

参考資料:

ヤフーニュース:Scientists in Switzerland to do the monster smash By ALEXANDER G. HIGGINS, Associated Press Writer Tue Sep 9, 5:09 PM ET

ヤフーニュース:Hawking bets CERN mega-machine won't find 'God's Particle' Tue Sep 9, 3:55 PM ET


INN特派員:ハンニバル43世 2008年9月9日


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